森をつくる農業アグロフォレストリーの
CO2削減効果
CO2削減マークとは?
フルッタフルッタではブラジルのトメアスを拠点とするサプライヤーのCAMTA(トメアス総合農業協同組合)がアグロフォレストリーで生産する、アサイーをはじめとする農産物の原料を使用した製品にCO2の削減量を表示しています。ここでは、その削減量の算出方法や、農産物を栽培しているアグロフォレストリー農法についてご紹介していきます。
アグロフォレストリーのCO2削減効果
森をつくる農業「アグロフォレストリー」のメリットのひとつに、CO2の吸収があります。
CO2は二酸化炭素のことであり、二酸化炭素は「温室効果ガス」の一種とされています。
アグロフォレストリーの農場では、樹木を含むさまざまな作物が成長するためにCO2が吸収されています。
CO2削減量の算出方法
CO2削減マークに表示されている数値は、
CAMTAの組合員のアグロフォレストリー農場の高木樹種が吸収したCO2から、
ブラジルにおける生産や日本までの輸送時に排出されたCO2を引き、
原料の生産量で割った1gあたりの数値を、
製品に配合された原料の使用量に応じて削減量として算出しています。
(※いずれも年間ベース)
なお算出根拠は、農場面積や生産量、CO2排出量などの増減により変化します。
CO2削減マークは
これらの製品に使用されています
森をつくる農業「アグロフォレストリー」
「アグロフォレストリー」は1970年代中期につくられた造語で、 「農業」のアグリカルチャーと「林業」のフォレストリーが合成されています。 日本語では、農林複合経営、混農林業、森林農業ともいわれ、複数の農産物や樹木を混植することにより、 単一栽培に比べて生態系が多様な農場が構成されます。 世界では東南アジア、中南米、アフリカなどで様々な事例がありますが、 中でも近年特にブラジル・トメアスのCAMTAが実践するアグロフォレストリー(SAF※1)は 持続可能な農業として世界から注目されています。
※1:ポルトガル語での呼称Sistema Agroflorestal の略
トメアス式アグロフォレストリー
トメアス式アグロフォレストリー(SAFTA※2)は、
アマゾンの荒廃地に多様な果樹や材木の苗や作物を植えていきます。
1年目から継続的に収穫を得られることが特長で、
従来の単一栽培ではできなかった持続的な生産が可能となります。
農業をしながら森を再生する、まさに“森をつくる農業”です。
※2:ポルトガル語での呼称Sistema Agroflorestal de Tomé-Açu の略
荒廃地
トメアスの周辺には伐採などで荒廃地化した土地が広がっています。 アマゾンの土壌は薄く、伐採してしまうと養分が流れて作物が育ちにくくなります。
1年目
1年目から将来にわたり収穫を得られるよう計画的に野菜やコショウ、果樹、材木の苗を植えます。
5〜10年目~
コショウが枯れ、果樹が実をつけます。この時期が最も作物の種類が多く、また最も二酸化炭素の吸収量が多い時期とされています。
20年目〜
高木と低木が共存する森のようなアグロフォレストリーが完成し、光のコントロールをしながら低木果樹の生産性を維持していきます。
トメアス式アグロフォレストリーはCO2の吸収源となる森をつくるだけでなく、
雇用を生み、地域の発展にも寄与するなど社会・経済・環境の側面からメリットがあり、サステナブルな農業として期待されています。
アグロフォレストリーの多様性
トメアスのアグロフォレストリーでは、アサイーを含むアマゾンフルーツをはじめ、
カカオ豆、コショウ、パームヤシ、ゴム、マホガニーなど、
地域全体でおよそ70種類の作物を栽培しています。
それらの原料は食品業界に留まらず、燃料、化粧品、自動車、住宅、製紙など
さまざまな産業で活用することができます。
アサイーをはじめとするアマゾンフルーツ
トメアスのアグロフォレストリーではアサイーをはじめとするアマゾンフルーツを栽培しています。
アマゾンは強い日差しや強烈な雨などで、とても厳しい環境下にあり、そのような環境ストレスからフルーツ自身が
自らの身を守るためにポリフェノールやビタミン類などのさまざまな栄養素を蓄えています。
つまりそこで育ったフルーツは、自然のエネルギーが蓄積された「天然のサプリメント」なのです。
ブラジルの奇跡、『アサイー』
アサイーはブラジルのアマゾンを原産とするヤシ科の植物です。
大きく生長すると25mもの高さになり、白く細長い幹に2mほどの大きな葉を生やし、
ほうき状の房にブルーベリーよりひと回り大きい黒紫色の実をつけます。
1粒あたり5%ほどしかない可食部にポリフェノールや鉄分、ビタミンE、不飽和脂肪酸など豊富な栄養素や抗酸化成分を蓄えていることから、現地では15世紀の大航海時代以前からアマゾンの先住民の貴重な栄養源として食されてきました。
現代では「スーパーフード」や「スーパーフルーツ」と呼ばれ人々の美と健康を支えています。
アサイーの果肉の主な栄養素
アマゾンフルーツのサプライヤーCAMTA
CAMTA(トメアス総合農業協同組合)は、トメアスの日本人移住者がアマゾンという辺境の地で経済的に自立するために1931年に創立された農業組合です。
創立当初は野菜や米の販売を主な事業とし、やがて基幹作物となったコショウ栽培の栄枯盛衰からアグロフォレストリーへの転換を先導しました。
そして後にジュース工場が設立されたことにより組合員の果樹栽培意欲が高まり、トメアスはアマゾンフルーツの里として変貌を遂げます。彼らの栽培技術は周辺のブラジル人零細農家にも普及し、地域の発展に寄与しています。